救命救急センターに入院となった高齢の自殺未遂者の臨床的特徴

  • 井上 佳祐
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 日野 耕介
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 伊藤 翼
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 松森 響子
    一般財団法人信貴山病院
  • 六本木 知秀
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 野本 宗孝
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 高橋 雄一
    横浜市立大学精神医学教室 横浜市立大学附属市民総合医療センター精神医療センター
  • 平安 良雄
    医療法人へいあん 平安病院

書誌事項

タイトル別名
  • Suicide attempts in the elderly

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説明

<p>近年,わが国の自殺者数は漸減傾向にあるが,全自殺者数の約4割が60歳以上で,今後さらなる高齢化が進むと予測されるわが国において,高齢者の自殺対策は重要な課題である。救命救急センターに搬送され入院となった自殺未遂者を,65歳以上の高齢者群(83名)と64歳以下の非高齢者群(586名)に分けて,各々の患者背景,自殺企図の特徴や転帰などについて比較を行った。高齢者は精神科医療を受けていない傾向にあり,プライマリケア医や地域の支援者が高齢者の自殺予防を行うことが重要である。精神科主診断は,高齢者群において,気分障害に次いで認知症が多かった。高齢者群は,身体的に重症化しやすく,また入院が長期化しやすいことがわかり,日常生活活動の低下につながるなどの悪循環を来しやすいことが示唆された。このような転帰になることを防ぐためにも,高齢者の自殺対策が引き続き進められることが重要である。</p>

収録刊行物

  • 総合病院精神医学

    総合病院精神医学 31 (2), 193-198, 2019-04-15

    一般社団法人 日本総合病院精神医学会

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