後腹膜気腫を呈した小児鈍的外傷性十二指腸穿孔の1例

DOI
  • 杉中 宏司
    戸田中央総合病院 救急科 順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of pediatric blunt traumatic duodenal perforation with retroperitoneal emphysema

抄録

<p>今回われわれは, 後腹膜気腫を呈した小児の鈍的外傷性十二指腸穿孔を経験した。症例は, 12歳の男児。サッカーの試合中に相手の膝が心窩部に当たり受傷した。来院時, 心窩部に自発痛, 圧痛はあったが反跳痛はなかった。血液生化学検査では優位所見なく, 腹部造影CT画像では, 十二指腸浮腫性壁肥厚, 膀胱直腸窩に少量の腹水を呈するのみであった。胃管留置により減圧を施行し, 入院加療とした。14時間後の腹部造影CT画像では, 新たに右腎周囲の後腹膜気腫を確認した。さらに23時間後の腹部単純CT画像では, 膀胱直腸窩の腹水増加があったため緊急手術を行った。十二指腸水平脚に径約10mmの穿孔が確認された。穿孔部を単純閉鎖し, 大網被覆術を試行した。第12病日に経口摂取を開始し, 第24病日に独歩退院した。受傷早期の腹部CT画像で十二指腸穿孔と診断できない場合は, 繰り返しのCT検査で厳格に管理し, 手術の時期を逃さないようにする必要がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018198838066304
  • DOI
    10.24697/jaamkanto.45.2_137
  • ISSN
    24342580
    0287301X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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