術前診断し腹腔鏡下に整復したS状結腸間膜窩ヘルニアの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intersigmoid Hernia Diagnosed Preoperatively Using CT and Treated by Laparoscopic Surgery

抄録

<p>症例は56歳の男性で,腹痛,嘔吐を主訴に前医受診した.鎮痛薬投与により一時的に症状が改善したが,翌日腹痛が増悪したため精査加療目的に当院を紹介受診した.腹部単純X線で小腸拡張像を認め,腹部造影CTでS状結腸間膜左葉背側へ小腸が嵌入しており,S状結腸間膜窩ヘルニアと診断した.イレウス管を留置し減圧を行ったのち,待機的に腹腔鏡下手術を施行した.腹腔内を観察するとS状結腸間膜窩に小腸が嵌頓しており,S状結腸間膜窩ヘルニアの所見と一致した.小腸を牽引し嵌頓を解除した.ヘルニア門は約2 cmであり,S状結腸間膜のfusion fasciaを切開剥離し,ヘルニア門を開放した.S状結腸間膜窩ヘルニアは比較的まれな疾患であり,CTによる術前診断がなされ,腹腔鏡下に治療しえた報告は少ない.今回,CTにて術前診断し,腹腔鏡下に整復したS状結腸間膜窩ヘルニアの1例を経験したので報告する.</p>

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参考文献 (9)*注記

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