喀痰吸引手技の客観的評価:吸引シミュレーターにおけるカテーテル位置の多次元画像化

DOI
  • 堀内 裕子
    目白大学看護学部看護学科 帝京大学大学院理工学研究科
  • 小川 充洋
    帝京大学理工学部情報電子工学科

書誌事項

タイトル別名
  • An objective evaluation of sputum suctioning technique: Multidimensional imaging of catheter position in a suction simulator

抄録

介護職員等による喀痰吸引の法制化により,医師や看護師だけでなく介護職にも吸引技術の習得が求められるようになった.気道吸引は患者への侵襲を伴う医療行為のため,安全性や技術習得に向けた研究が報告されている.しかし,気道内での吸引カテーテルの先端の動きと吸引技術の関連は明らかでない.われわれは,喀痰吸引の経験者と未経験者の吸引カテーテルの先端の動きなどの吸引技術の違いを明らかにできれば,吸引技術の客観的評価が可能となるものと考える.そのため,既存の吸引シミュレーターを改造し,気道部を2方向から動画撮影可能な実験系を構築した.本報告では,撮影した動画の分析から,気管口から気管分岐部までのカテーテル挿入時間の平均値は,未経験者の最小値は9.53 秒,経験者の最大値は6.55 秒であり,未経験者は経験者より時間を要した.ここから,未経験者に指導する場合には,カテーテル挿入時間とカテーテルのひっかかりに注意が必要であることが示唆された.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→吸引の効果的で安全な手技習得のために,吸引カテーテルの先端の動きから気管吸引の手技を評価できるシミュ レータを構築したいと考えた.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ シミュレータでの気管吸引の手技の可視化により,吸引手技の習得の客観的評価が可能となる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→吸引シミュレータの客観的評価がリアルタイムで実施可能なシステムとして発展させることが必要である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018198838211328
  • DOI
    10.24462/jnse.11.0_122
  • ISSN
    24326283
    21884323
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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