未来を見据えて

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<p>早いもので、理事長を拝命して8年が過ぎようとしています。「臓器不全患者さんが移植を受け安心して人生を全うできる社会づくり」をめざし、移植へのアクセス整備、臓器提供環境整備、医療技術革新、人材育成、社会インフラ整備に会員とともに尽力してきました。救急関連学会との交流も深まり、若い救急医や集中医療医から移植医療について情報提供を求められるようになりました。二期目の理事会となった3ヶ月目にCOVID-19に見舞われましたが、アカデミアとして危機管理対応の良い経験になったと今では思うことができます。2020年7月の理事長挨拶に「おそらく社会が落ち着くと臓器提供は急増すると予測しています。」とあります。事実、あらゆる移植医療現場で急増する臓器提供への対応が急務です。さて、2021年6月のバチカン・WHO合同ワークショップで生体ドナーの長期管理について講演を依頼された際の情報収集で、日本の生体腎ドナーの課題に気がつきました。現在、渡航移植事件がきっかけで法整備の必要性が議論されています。既得権にこだわることなく未来を見据えて、アカデミアのオートノミーが脅かされないよう患者さんのために自らを律することが求められています。日常診療と学術活動で寝る間もないのが実情と察しますが、移植でしか助からない臓器不全患者のため、臓器提供の意思にこたえるため、臓器の枠を超えてもうひと肌脱いでいただきたい。 </p>

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