私が経験した印象深いmiracle recovery cases
説明
<p>肝移植患者は他臓器移植に比べて重症度が高く、腎不全、呼吸不全を伴った2臓器3臓器不全の状態であっても、肝機能の回復により救命が見込まれれば肝移植を実施する。今回は救命し得た特に印象深い2例を紹介する。 症例1:62歳女性、当院泌尿器科にて進行右尿管癌に対し右腎・副腎全摘をされた。術直後よりショックバイタルであり、2PODに肝酵素は1万をこえ、血清ビリルビンも急上昇した。3PODに実施されたCTで、手術に際し肝十二指腸靱帯が完全に離断されていることが判明した。肝血流は置換左肝動脈でのみ保たれていた。急速に肝不全が進行したが、7PODに初めて、肝移植による救命は出来ないか?とのコンサルトがあった。進行癌、非治癒切除であり当然肝移植の適応は無く、すでに肝機能は廃絶していると思われたため、その時点では救命の手段はないと思われた。姑息的にB3にPTBDを挿入して経過をみたところ、胆汁産生を認め、小康状態が続いた。各方面と協議の結果、20PODに肝移植手技による救命、すなわち、壊死した右肝を切除し、離断された門脈本幹と門脈左枝を再吻合、胆管空腸吻合を実施した。術後は奇跡的に回復し、肝機能は完全に正常化し、患者状態は完全に回復した。ただし、残念ながら術後約5ヶ月で原病の進行により永眠された。症例2:COVID-19陽性下に準緊急生体肝移植を実施した56歳男性。新型コロナ肺炎、結腸穿孔などを合併するも、救命し、術後3ヶ月で独歩退院に至った。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s137_1-s137_1, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018198838291712
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可