CDC-XMにおいてRituximabの影響を回避する前処理法の検討

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抄録

<p>【はじめに】 臓器移植において、Rituximabはレシピエントに投薬することでBcell系の一部を枯渇化させ、一時的に抗体産生細胞への分化を抑制する働きがある。そのためドナー特異的抗体(DSA)となる新生抗体の産生抑制や、抗体関連型拒絶(ABMR)の予防および治療を目的に重要な役割を担う治療薬として使用されてきている。しかし、RituximabはDSAを検出する補体依存性細胞傷害試験(CDC-XM)のBcellに偽陽性を引き起こすことが知られている。 本研究では、CDC-XM においてRituximab の影響を回避する前処理法の検討を行ったので報告する。【対象および方法】 対象は、東京女子医科大学において臓器移植目的でRituximabを投与した症例である。 方法は、Rituximab の影響を回避する前処理法としてMagnetic Beads、抗イディオタイプ抗体、蛋白分解酵素(protease)の3法について比較検討を行った。【結果および考察】 Magnetic Beads、抗イディオタイプ抗体を用いた血清処理法では偽陽性を回避することができた。しかし、proteaseによるBcell細胞表面抗原処理法では安定した結果を得ることは出来なかった。 今後Rituximab投薬症例においても正確なCDC-XMのBcell検査が可能になると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s238_3-s238_3, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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