当院での腎移植チームの構築~泌尿器科と腎臓内科が連携した新体制~

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抄録

<p>【背景】当院での腎移植は年約30件と府内の多くを占めていたが、2022年春に移植外科医6人中5人が退職し、移植手術を休止することとなった。その後の対応と新体制の構築について紹介する。</p><p>【内容】生体腎移植を希望していた患者を急遽別の病院に紹介し、移植希望登録者の一部について施設変更の手続きを進めた。腎移植後の通院患者560人程のうち4割を、4~6月に腎臓内科へ受け入れた。薬剤説明会や外部講師を招いた講演会により内科医の知識習得を急ぎつつ、腎臓内科での移植腎生検を開始した。11月になり泌尿器科に腎移植手術を行うチームを新設することが決まり、腎臓内科が連携した新体制を構築することとなった。腎・尿路センター内に二科合同の腎移植外来を新設し、共通の術前検査体制とカルテ記載テンプレートを整備した。入院診療において周術期は泌尿器科が主、それ以外の期間は腎臓内科が主となり、シームレスに連携する体制とした。腎臓内科ではこれまで経験の無かった薬剤やHLA関連検査、脱感作療法について勉強会を重ね、クリニカルパス作成、説明同意書の刷新、高難度新規医療技術・未承認新規医薬品の申請などを協力して行った。多岐に渡る部署と調整を進め、盤石な体制で2023年3月に1例目の生体腎移植術を開始し、4月に心停止下献腎移植を2例実施した。</p><p>【結語】泌尿器科医および移植腎臓内科医を育成する教育システムを盛り込んだ、腎移植チームの新体制を短期間で構築した。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s253_2-s253_2, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018198838525312
  • DOI
    10.11386/jst.58.supplement_s253_2
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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