動脈硬化が阻血再灌流障害に与える影響についての検討
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- 長ヶ原 一也
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 大平 真裕
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 佐藤 沙希
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 別木 智昭
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 今岡 洸輝
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 今岡 祐輝
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 中野 亮介
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 坂井 寛
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 矢野 琢也
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 黒田 慎太郎
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 田原 裕之
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 井手 健太郎
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 小林 剛
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 田中 友加
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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- 大段 秀樹
- 広島大学大学院医系科学研究科 消化器移植外科学
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抄録
<p>背景:当科では, 生体肝移植時の動脈硬化を有するドナーの石灰化と、肝移植術後胆道合併症が関連することを報告してきた. また, 肝移植虚血再灌流障害は, 術後早期の合併症の増加に関連するとされるが, 動脈硬化との関連については不明である. 本研究の目的は, 動脈硬化が肝虚血再灌流に及ぼす影響を明らかにすることである.方法:1, 2010年4月から2016年3月までに当科で施行したHCC初回根治切除症例335例を対象に, 術前単純CTで測定した腹部大動脈石灰化量(AAC)および全肝阻血の有無と, 術後合併症(Clavien-Dindo (CD)≧3A, 胆道系合併症, 術後肝不全)との関連について後方視的に解析した. 2, Wild type(WT)マウス, 動脈硬化マウスを用いて70%部分肝阻血再灌流(IR)モデルを作成し, 肝阻血領域や肝酵素を測定した.結果:1, 全肝虚血を行わなかった症例では, AACと合併症に関連がなかったが, 全肝虚血を行った症例においては, 高AAC群(946 mm3)で術後胆道系合併症が有意に増加した.2, 動脈硬化マウスではwild typeと比較し, IRによって肝壊死領域が増大し, また肝酵素(AST, ALT)が有意に上昇した.結語: HCC手術において, 動脈硬化症例は,全肝阻血による術後合併症のリスク増加に関連した. 動脈硬化マウスにおいても, IRへの耐性低下が示唆された. 今後, このメカニズムについて免疫学的な解析を行っていく予定である.</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 58 (Supplement), s314_3-s314_3, 2023
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018198838657664
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可