新型コロナウイルス感染症流行禍における肝・腎移植後患者の身体活動量と恐怖、感染予防行動との関連

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<p>【目的】 移植後患者は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化群であり、健常者よりCOVID-19への感染への恐怖が強いことが報告されている。本研究は、COVID-19禍における移植後患者の身体活動量と恐怖、感染予防行動との関連を明らかにすることを目的とする。【方法】対象者は2021年3~4月に当院通院中で肝、腎移植後6ヶ月以上の20歳以上の患者とした。身体活動量はInternational Physical Activity Questionnaireを用いて不活発群と活発群に分類した。COVID-19への恐怖と感染予防行動は、先行研究に基づき自記式質問紙で調査した。身体活動量と恐怖、感染予防行動との関連は活発群・不活発群の2群を従属変数としてロジスティック回帰分析を用いて分析した。【結果】対象者は204名で(肝136名、腎68名)、男性は98名(48%)、平均年齢は59.1±11.8歳、平均BMIは22.6±3.6kg/m2、平均移植後年数は6.6±5.5年であった。不活発群は113名(55.4%)であり、移植臓器による身体活動量に相違はなかった。不活発群は活発群と比較し、免疫抑制剤の内服が感染を悪化させることへの恐怖が強く(OR=1.48, p=0.08)、運動習慣(OR =0.35, p < 0.001)や外出頻度が少なかった(OR=1.50 , p=0.009)。【考察】COVID-19禍で移植後患者の半数以上は不活発であることが示された。過度な恐怖は身体活動量の低下を招くため、医療者による正しい情報提供の必要性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 58 (Supplement), s328_1-s328_1, 2023

    一般社団法人 日本移植学会

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