慢性活動性T細胞性拒絶反応(CA-TCMR)への治療が移植腎予後へ与える影響

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<p>【背景】腎移植後の慢性活動性T細胞性拒絶反応(CA-TCMR)は腎予後が不良だと考えられている。一方で治療によりその病理所見が改善する可能性についてはすでに報告した。しかし、病理所見の改善が腎予後の改善につながるかは不明であった。【対象・方法】2018年から2022年2月までに生検でCA-TCMRと診断され、治療後確認生検をおこなった32例を検討した。【結果】32例のうち病理所見上、B/CまたはNormalまで改善したものをResponder群(n=20)、そうでないものをNon-responder群(n=12)とした。Responder群ではti, i-IFTA, t-IFTAのスコアは治療前と比べ有意に改善していたのに対しNon-responder群では改善は見られなかった。血清クレアチニンの倍加、末期腎不全を複合アウトカムとした場合、Non-responder群に観察期間中に3例認めたのに対して、Responder群では認めず二群間の累積発症率に有意差を認めた(P=0.019)。またeGFRの低下率もNon-responder群では-6.5%/年に対して、Responder群では-0.2%/年と有意差を認めた(P<0.001)。一方で治療の前後では二群間で腎機能(eGFR)に変化を認めなかった。【結語】腎移植後CA-TCMRを発症しても治療を行い病理学的にB/CまたはNormalまで改善したものは、腎予後も良好であることが示唆された。一方で病理学的所見上の改善と治療前後の臨床所見は相関せず、確認生検が必要であると思われた。</p>

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