オーストラリア国立大学の学習・教育戦略における多様性、公正、包摂の組織的推進

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  • Organizational Advancement of Diversity, Equity, and Inclusion in Learning and Teaching at the Australian National University

抄録

本稿は日本の大学への示唆を得ることを目的に、オーストラリア国立大学(The Australian National University:以下ANU)の学習・教育戦略における多様性、公正、包摂(Diversity, Equity, Inclusion:以下DEI)の組織的推進の特質について探索的に検討する。ANUは、すべての人を包み込み、支え合い、協力し合える環境の提供を志向しており注目に値する。これまで、ANUの戦略的計画を遂行するための「事業計画2022-2025」において、国策に沿いつつ、先住民族、低社会経済層、地方や農村等の国内学生の参加に重点を置いた目標や、学習成果の向上に関する目標、主要業績指標等が設定されていることは明らかにされているものの、具体的な推進方法については十分に解明されていない。そこで、Takayama et al.(2017)の3階層モデル-全学リーダーシップ(マクロ)、学部等(メゾ)、教員個人(ミクロ)-を分析枠組みとし、ANUにおける根拠に基づくDEIの推進方法を検討する。分析の結果、ANUはスケールの大きなカリキュラム改訂を通じて、支援対象となるエクイティ・グループの視点を学生・教職員が学び、マクロ、メゾ、ミクロの組織全体で理解を深めていく学習・教育戦略と結び付きデータに依拠した変革を進めていることが明らかにされた。

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