有鉤義歯の内視鏡的摘出中に食道に陥頓し,食道穿孔,心肺停止をきたした1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Esophageal Perforation Who Developed Cardiopulmonary Arrest During Endoscopic Removal of a Clasp Denture Lodged in the Esophagus
  • ユウコウギシ ノ ナイシキョウテキ テキシュツ チュウ ニ ショクドウ ニ カントンシ,ショクドウ センコウ,シンハイ テイシ オ キタシタ 1レイ

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抄録

<p>症例は70歳,女性。有鉤義歯を誤飲し,近医を受診した。内視鏡的摘出の方針となり前医を紹介された。上部消化管内視鏡検査で胃内に有鉤義歯を認め,鉗子で把持し引き上げたところ食道内で陥頓した。陥頓の解除中に,突然心肺停止となり,蘇生処置が施行された。自己心拍再開後のCTで両側気胸と食道周囲のfree airを認め食道穿孔が疑われた。当院へ救急搬送され,緊急手術を施行した。食道外に突き出た義歯を摘出し,食道切除術と頸部食道瘻・空腸瘻造設術を施行した。術後42日目に胸壁前胃管再建術を行い,術後81日目に退院した。有鉤義歯の摘出の際に食道穿孔や破裂をきたすことが知られている。本症例は食道穿孔に伴う縦隔気腫に内視鏡の送気が加わり,両側気胸,また,胸腔内圧の急激な上昇が心臓を圧迫したことによる循環呼吸不全が心停止の誘因となった可能性が推察された。有鉤義歯の内視鏡的摘出には,慎重な施行と準備が必要である。</p>

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