膝関節内旋位での片脚立位保持動作課題を用いたBi-cruciate retaining TKAの膝関節回旋安定性の検討

DOI
  • 出村 博之
    医療法人社団三慈会 釧路三慈会病院 リハビリテーション科
  • 佐藤 弘樹
    医療法人社団三慈会 釧路三慈会病院 リハビリテーション科
  • 岡野 万里江
    医療法人社団三慈会 釧路三慈会病院 リハビリテーション科
  • 西池 修
    医療法人社団三慈会 釧路三慈会病院 整形外科
  • 西池 淳
    医療法人社団三慈会 釧路三慈会病院 整形外科
  • 中村 冬香
    医療法人社団三慈会 西池彰記念クリニック 理学療法室

Abstract

<p>目的:膝関節内旋位での片脚立位保持動作課題を膝関節内旋方向の回旋不安定性評価として用い,BCR-TKA膝,BCS-TKA膝,Medial pivot型CS-TKA膝の異なる構造のTKA膝とACL不全膝間で膝関節内旋方向の膝関節回旋安定性を比較検討した。</p><p>方法:対象は手術側下肢,損傷側下肢で片脚立位保持から片脚立位側への骨盤回旋動作が可能な32例35膝をBCR-TKA膝群9膝,BCS-TKA膝群10膝,Medial pivot型CS-TKA膝群10膝,ACL不全6膝の4群に振り分け,膝関節内旋位での片脚立位保持動作課題を膝関節内旋方向の回旋不安定性評価として用い動作課題の遂行可能,不能を測定し動作課題遂行時の自覚的膝不安定感の比較と再現性,膝関節伸展トルクとの関連性を調査した。各群の患者背景と動作課題結果の関連性をロジスティック回帰分析にて検討した。</p><p>結果:動作課題の遂行はBCR-TKA膝の全膝でのみ可能であり,自覚的膝不安定感においてBCR-TKA膝に対し他の3群は有位に高値を示し,自覚的膝不安定感の再現性は高く,膝関節伸展トルクの相関は低かった。各群の患者背景で有意差を認めた項目はロジスティック回帰分析の結果,動作課題結果に関連する因子は抽出されなかった。</p><p>考察:両十字靭帯の生理的な制動性を有するBCR-TKA膝は関節内旋が増大する動作課題において多方向からの外力に対し,同期的に大腿骨と脛骨を垂直化する安定性:Vertical stabilityの獲得が可能であると考えられた。また,片脚立位からの片脚立位下肢側への骨盤回旋運動課題はTKA後膝,ACL不全膝に対する荷重下での膝関節内旋方向の回旋不安定性の簡便かつ安全な臨床評価方法になり得ると考えられた。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390018198840697344
  • DOI
    10.11551/jsjd.43.56
  • ISSN
    18849067
    18832873
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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