地域在住高齢者における健康管理アプリ使用とプレフレイルの関連性について

DOI
  • 今岡 真和
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 中村 美砂
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 肥田 光正
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 久保 峰鳴
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 今井 亮太
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 田崎 史江
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部
  • 堺 景子
    大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> 近年、スマートフォンに搭載されたセンサーを活用した健康管 理アプリが活用されつつある。簡便に医療記録を残せるアプリや活動量などライフログデータを記録できるものまで多岐に渡る。地域在住高齢者ではスマートフォン普及率の増加とともに、健康管理アプリの使用者も増加しているが、フレイル予防や対策の一助となっているか十分に明らかではない。そのため、健康管理アプリ使用と地域在住高齢者の半数が該当するプレフレイルとの関連性について横断的調査することとした。 </p><p>【方法】</p><p> ヘルスチェック事業に参加した、地域在住高齢者207名 (女性 153名、男性54名)、平均年齢75.5±5.6歳を対象とした。除外基準は64歳未満の者、重度サルコペニア該当者、フレイル該当者、データ欠損者とした。 調査項目は、調査票にて健康管理アプリ使用の有無、デジタル機器などの使用数、ロコモ25、主観的健康観、有償の仕事の有無、抑うつ状態 (GDS: Geriatric Depression Scale-15)、独居の有無、社会とのつながりを自記式にて記録した。実測調査は歩行速度、握力、四肢骨格筋量、一日の服薬数とした。サルコペニア、プレフレイルの判定はそれぞれ国内で推奨される定義に基づき実施した。 統計学的検討は健康管理アプリ使用の有無にて2群に分け、アプリ使用群と非使用群として調査項目を単変量解析し、有意差を認めた項目をアプリ使用の有無を従属変数とした強制投入法によるロジスティック回帰分析を行い、独立関連因子を検討した。なお、有意水準は5%未満とした。 </p><p>【結果】</p><p> 調査項目に不備のあった32名を除く、178名が解析対象となった。健康管理アプリ使用群は26名 (14.6%)、非使用群は152名 (85.4%)であった。単変量解析で2群間に差を認めた項目はプレフレイル該当率、デジタル機器などの使用数であった。 次に、年齢、性で調整した強制投入法によるロジスティック回帰分析の結果、プレフレイルはオッズ比0.34 (95%信頼区間 0.13-0.95)、デジタル機器などの使用数はオッズ比21.3 (95%信頼区間5.8-77.7)、と有意な独立関連因子であることが示唆された。 </p><p>【結論】</p><p> 地域在住高齢者のうち、健康管理アプリ使用群はデジタル機器などの使用数が多く、プレフレイル該当率が有意に少ないことが示唆された。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p> 本研究は大阪河﨑リハビリテーション大学研究倫理委員会の承認 (承認番号:OKRU-RA0005)を得て実施している。また、参加者はヘルシンキ宣言に基づき口頭および書面にて説明を行 い、同意を得て実施している。</p>

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