心疾患患者に対する心肺運動負荷試験は再入院リスクを低減させる
説明
<p>【はじめに】</p><p> 心疾患患者において再発や症状増悪による入退院することで ADLが低下していくため、再入院リスクを低減させることは非 常に重要な課題であり、運動耐容能向上や再発・再入院予防を目的とした心臓リハビリテーション (心リハ)が推奨されている。本研究では入院中に心リハを行った患者を対象とし、退院後に再入院に至る要因を調査することを目的とした。 </p><p>【方法】</p><p> 対象は2019年4月から2022年6月に当院入院中に心リハを実施し、かつ退院後に当院外来心臓リハビリテーションを新規処方 された患者27名とした。退院後150日以内における再入院の有無を診療記録から後方視的に調査した。対象者を再入院群と非再入院群に分類し、基本属性、血液データ、投薬状況、心機能、身体機能などを群間比較した。統計学的解析はFisherの正確検 定、マン・ホイットニーのU検定を用いた。また再入院群に関しては再入院に至った要因や傾向についても併せて調査を行った。 </p><p>【結果】</p><p> 再入院率は28.5%であった (非再入院群:21名、再入院群:6名 )。血液データのeGFR値において、再入院群は非再入院群よりも有意に高値であったが、その他の項目に対する比較においては統計学的な有意差を認めなかった。再入院群では非再入院群と比較して若年で就労している患者が多い傾向にあった。また再入院に至った経緯に着目したところ、再入院群では①全例が心不全患者、②退院後30日以内の早期に再入院、③心リハ外来でCPX実施前という特徴があった。また退院後にCPXを実施後 1年間では再入院に至った症例は6名中1名のみであった。 </p><p>【考察】</p><p> 今回の調査では比較的若年かつ就労をしている心不全患者が再入院に至る可能性が高い傾向にあった。しかしCPX後に再入院率が減少している特徴から、CPX結果を基にした運動・生活指導を行うことは心不全増悪による再入院を予防するための重要な因子である可能性が示唆された。心疾患におけるリハビリテーションガイドラインにおいて心不全患者は点滴加療終了後に症候限界性運動負荷試験の実施が推奨されている。今回の結果から就労しているような活動性が比較的高い患者には退院後、可能な限り早期にCPXを実施することが再入院率の低減につながる有益な介入方法であると考える。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>甲府共立病院倫理審査委員会の承認を得た</p>
収録刊行物
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- 日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
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日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 2.Suppl.No.1 (0), 23-23, 2024-03-31
日本予防理学療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018198840776448
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- ISSN
- 27587983
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可