リハビリテーション専門職のためのリワークプログラムの取り組み

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  • 秋元 健太郎
    札幌渓仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション部兼 教育研修室
  • 佐藤 義文
    札幌渓仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション部兼 教育研修室

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p> 国内において理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の数は年々増加しており2022年度時点でおよそ22万4千人のリハビリテーション専門職が存在している。そのなかでも回復期病棟をはじめとした医療機関で働く者の割合は高く、155床の回復期リハビリテーション病院である当院においても173名のリハビリスタッフ (以下、スタッフ)が勤務している。日々の臨床業務の中でリハビリテーション業務を実践していくが、心身の不調を理由に十分に活躍できないスタッフも一定数在籍しており健全な職場環境とスタッフ育成のためリワークプログラムに取り組んでいるためここに提示する。 </p><p>【方法】</p><p> 当院では健康診断やストレスチェックによる支援に加えて、 情意評価および健康管理を目的として管理職との年間2回の面談を実施している。心身の不調者は個別に面談を行うなどしているが、統一した対応はしていなかった。そのため個別性に配慮できる反面、周囲のスタッフが該当スタッフにどのように接し、どの程度業務を配慮するべきか判断できないこともあった。特にリハビリテーション専門職はリハビリテーション業務以外に仕事の代替が提案しづらいことも経験した。 そのため、厚生労働省によるメンタルヘルス対策を参考に、不調予防対策として相談窓口の活用、休職に伴う法律整理や休業補償の提示、復帰に伴う業務強度の提示と、フレックスタイムの導入など職員、管理者が理解しやすいように整備した。 </p><p>【結果】</p><p> リワークプログラムの活用により、スタッフに業務の提案がしやすくなり、管理者や事務部門とも状況の共有がしやすくなり、実際にスムーズに職場復帰に至ったケースも散見された。 </p><p>【考察】</p><p> 心身の不調は突然に訪れることもあり、かつ管理者にとっても不慣れであることから十分なケアや保証がされないこともあるかもしれない。しかしスタッフにとってよりよい職場環境を模索し、困難な状況にも支えられるシステムを構築することは早期に実現するべきである。</p>

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