発育段階にある野球選手対する障害予防とパフォーマンス向上に向けた取り組み

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抄録

<p>野球選手は繰り返されるオーバーヘッド動作によって肩や肘などに投球障害が、投球・打撃に特徴的な捻転動作の反復よって腰部障害が多く生じることが知られている。特に投球の反復によって引き起こされる投球肘障害は、本邦の小学生年代の野球選手の約25%に発症することが報告されている。発症率の高さゆえに一次予防が重要視され、近年、投球障害予防プログラムの提案がなされている。一方で中学生年代になると、小学生年代とは異なり、投球肩障害や腰部障害の発症率が増える。年代による障害発症部位の違いには、骨成熟の部位による違いや身体発育タイミングの個人差が関与していると考えられる。すなわち、成長期野球選手の障害予防を考えていく上で、「身体発育」指標は成長期特異的な障害の介在因子となるため、発育が完了した成人選手とは異なる視点を持つことが重要となる。我々はこれまでに、成長期の特徴である「身体発育」に着眼した研究を実施してきたため、投球肩・肘障害や腰部障害の予防に向けた取り組みを紹介する。 アスリートは、発育途上の時期であったとしても、競技能力を向上させるために日頃から練習をおこなっている。そのため、 「障害予防」とだけ謳う現場介入は、選手・指導者ともに敬遠 されてしまうケースが少なからずある。我々のような医療関係者と指導者とがWin-Winな関係を保ち、選手にとってメリットのある活動とするため、PSE challenge (Prevent injury、けがを防いで;Strength body and skills、身体とスキルを強化して; Enhance performance、パフォーマンスの向上を目指そう!)という、選手に身体の変化やパフォーマンスの向上を感じてもらう機会を設けるような取り組みを実施してきた。この内容と得られた知見も踏まえ、本セッションでは成長期野球選手における障害予防とパフォーマンス向上に向けた取り組みを共有する。 </p><p>【倫理的配慮】</p><p>早稲田大学人を対象とする研究に関する倫理審査委員会の承認を得た上で研究活動を実施している。</p>

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