膵癌舌転移の1例

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タイトル別名
  • A case of tongue metastasis of pancreatic cancer

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説明

口腔領域の転移性悪性腫瘍は,全口腔悪性腫瘍の約1%で,中でも膵癌の舌転移は極めて稀とされる.今回,膵癌舌転移の1例を経験したので報告する.症例は56歳男性,主訴は舌痛,舌腫瘤.X年膵癌cT3N1aM0,Stage ⅡBの診断で膵全摘術を施行.X+2年縦隔リンパ節再発を来し,緩和化学療法を開始した.PDによるレジメン変更及び縦隔病変への放射線治療により,病勢はコントロールできていた.X+4年,舌に疼痛を伴う腫瘤性病変が出現した.各種検査で膵癌舌転移と診断した.舌腫瘍は増大傾向で疼痛悪化に伴う経口摂取困難が生じていたため,緩和治療として舌部分切除術を施行した.舌痛は改善,経口摂取も良好となった.今回の外科治療は,がん終末期のQOL改善に寄与できた.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 37 (1), 48-54, 2024

    日本口腔・咽頭科学会

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