精神科訪問看護における作業療法士の実践から期待できる作業療法士の役割

  • 辻 陽子
    関西福祉科学大学 保健医療学部 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 医療科学専攻 博士後期課程
  • 橋本 弘子
    森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 教授

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Occupational Therapists in Psychiatric Home Visits

抄録

<p>【緒言】「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築が目指されるようになり,訪問看護の果たす役割は大きい.訪問看護支援者を対象とした調査研究において,看護師等に対する調査はあるが,作業療法士(OT)に対する調査は見当たらない.本研究の目的は,わが国における精神科訪問看護に携わっているOTの支援の現状から,OTの訪問看護においての役割について検討することである.</p><p>【方法】対象は精神科訪問看護ステーションに常勤として5年以上従事しているOT 5名とした.インタビューは対面またはオンラインで実施し,インタビューガイドはモニタリング,服薬支援,就労支援,高齢者に対する支援,児童に対する支援とした.インタビュー内容はICレコーダーに録音し,逐語録を作成した.逐語録はOT2名によりKJ法で分類した.</p><p>【結果】KJ法で分類した結果,支援内容と支援方法に分類できた.支援内容については,国際生活機能分類(ICF)の項目と類似していたことからICFの項目に整理した.支援方法はコミュニケーションを通した支援,活動を用いた支援,環境を調整し活用した支援に分類できた.</p><p>【結論】OTの支援は活動に焦点をあて,活動を行う環境を調整しながら支援を行っていた.OTの役割は訪問看護の利用者が望む活動ができ,社会参加の機会が増えるように環境へ働きかけ,調整していくことであると考えられる.</p>

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参考文献 (2)*注記

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