クリニックで診る睡眠時無呼吸症―CPAP (経鼻的持続陽圧加圧装置) 治療と管理―

  • 中山 明峰
    めいほう睡眠めまいクリニック院長
  • 寺西 正明
    独立行政法人国立病院機構・名古屋医療センター耳鼻咽喉科頭頸部外科医長

書誌事項

タイトル別名
  • クリニック デ ミル スイミンジ ムコキュウショウ : CPAP(ケイ ビテキ ジゾク ヨウアツ カアツ ソウチ)チリョウ ト カンリ

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抄録

<p> これまで睡眠時無呼吸症に対し, 耳鼻咽喉科医は外科的治療を優先的に選択した過去がある. しかし現在, 国際的に成人睡眠時無呼吸症治療の第一選択は CPAP (経鼻的持続陽圧加圧装置) が勧められている. 一方, 耳鼻咽喉科医は CPAP 治療とその管理に対し消極的な一面が見受けられる. その結果, 医療側の不適切な管理により, 患者が CPAP を敬遠する実態を散見する. 本稿では, 医療者と患者両者にとって CPAP 治療が積極的に受け入れられることを目的として, CPAP 治療と管理について解説する.</p><p> CPAP はクラスⅢの医療機器であり, 一方的に業者に管理を委ねてはならない. CPAP を開始する前に, この治療が患者にとってどのような意義を持ち, 経済的, 身体的負担がどの程度あるかなどを十分に説明し, インフォームドコンセントを行う必要がある. その上, CPAP 圧の設定, オートか固定圧か, どの機種にするかを決めなければならない.</p><p> CPAP 治療開始後, 定期的に CPAP レポートを解析し, 患者の治療効果を把握, 説明する必要がある. レポートについては, 毎月の CPAP 使用率, 毎晩の4時間以上使用率, エアーリークなどから使用状況を察知することができる. 使用率が低い場合, 医療者は直ちに患者に責任を押しつけず, リーク問題, マスクサイズ, 圧設定の再検討などの努力をするべきである.</p><p> レポートデータのみで CPAP フィッティングに限界を感じる場合, 睡眠専門施設と連携し, 圧調整のためにタイトレーションを行うことを勧める.</p>

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