過長茎状突起が原因と考えられた末梢性顔面神経麻痺症例

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タイトル別名
  • A rare case of facial palsy associated with elongated styloid process
  • カチョウ ケイジョウ トッキ ガ ゲンイン ト カンガエラレタ マッショウセイ ガンメン シンケイ マヒ ショウレイ

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抄録

<p>過長茎状突起症は,茎状突起の過長や茎突舌骨靭帯の骨化により,咽喉頭や頸部に種々の不快な症状を来す疾患である.今回我々は過長茎状突起症が原因で発症したと考えられる顔面神経麻痺が手術により完治した極めて稀な症例を経験した.症例は30歳男性で,嚥下時の右耳下部痛を主訴に初診し,CTで両側過長茎状突起を認めた.初診の翌日より右顔面神経麻痺が出現し,発症7日目からステロイド漸減療法を行った.顔面神経麻痺の原因部位は鼓索神経分岐部より末梢で,茎乳突孔から茎状突起基部の間と考えられた.13日目に顔面表情筋スコアが8/40点,ENoGが0%になったため,右顔面神経減荷術と茎状突起切除術を施行した.術後14か月目に顔面表情筋スコアが40/40点となり,顔面神経麻痺は完治した.また嚥下時の右耳下部痛も消失した.自験例と過去に報告された論文をまとめると,茎状突起切除術に加えて顔面神経減荷術を施行することは過長茎状突起症に併発する顔面神経麻痺に有用と考えられた.</p>

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