メディアとジェンダー表象

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Media and Women’s Representation: From Specific Cases to Media Culture Theory
  • ―新しいメディアという視点から

抄録

<p> 本報告では、昨今SNS上で論争の的になっている、メディアコンテンツや広告におけるある種の女性表現について、いくつかの具体的事例を扱いつつデジタル化時代のメディア理論やメディア文化論の観点から、以下の4点について説明を試みる。第一に、シンポジウムの開催の意図と先行するお二人の発表を受けて、「メディアと女性の表象」というテーマの大まかな見取り図を示しつつ論点を整理してみる。第二に、女性表象に対する第二波フェミニズムによる運動の成果を踏まえ、従来型メディアにおけるステレオタイプ表象や女性を表現する言葉遣いの改善、ジェンダー平等なコンテンツ作りに向けた内部考査の徹底化などが見られたことを確認すると同時に、その限界について考える。第三に、ポピュラー文化領域での女性自身による自由な性表現(レディースコミックスなど)、男性性のモノ的消費(BL、女性の二次創作の過激化、男性アイドル受容など)、女による女の消費(百合作品)の文化領域が拡大し、「萌え絵」への批判があたかもダブルスタンダードのように見えてしまうという点を検討する。第四に、その後のメディア技術の変化およびアナログ媒体からデジタル媒体への変容によって、様々なコミュニティの境界線が消滅し、私的領域と公的領域のシームレス化といったメディア環境の刷新が起こったことを理論的に説明すると同時に、「女性の表象」をめぐる対話の困難さとそれを超える可能性について検討してみたい。</p>

収録刊行物

  • 女性学

    女性学 30 (0), 39-50, 2023-03-31

    日本女性学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018198842124672
  • DOI
    10.50962/wsj.30.0_39
  • ISSN
    24365084
    1343697X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ