大学院生における論文執筆上の困難点と課題 : タイの大学院生への質問紙調査から

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タイトル別名
  • Difficulties and Challenges faced by Graduate Students in Writing Research Papers : From the Survey of Graduate Students in Thailand
  • ダイガクインセイ ニ オケル ロンブン シッピツジョウ ノ コンナンテン ト カダイ タイ ノ ダイガクインセイ ヘノ シツモンシ チョウサ カラ

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抄録

研究ノート

大学院での研究指導に関する課題とその背景を明らかにするために、本稿では、萌芽的な調査研究として、修士論文や博士論文、およびその研究報告に従事した大学院生・元大学院生に対する質問紙調査を行った。調査協力者は、タイの国立大学の某大学院で研究経験がある、タイ語か日本語を母語とする9名で、論文執筆言語はタイ語か日本語か英語である。調査では、研究活動上の論文執筆過程における困難点とその理由を尋ねた。その結果、協力者の多くに共通する困難点は、論文の考察部分の記述、自身の論文の推敲、および研究課題の設定であり、いずれも協力者は繰り返し検討や改善を求められる作業であることを強く意識していた。また、共通して高く評価された点は、セミナーで得られたコメントや指導の有用性であった。以上の議論から、研究上の支援として、研究活動の全過程および論文執筆の各局面での活動とその目的の意識化を一層図り、他者のコメントを受ける機会を充実し、かつ困難点や課題の背景をリソース化して教員や大学院生と共有する等により、論文執筆者としての内省の深化に役立てる可能性が指摘できる。

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