血友病HIV感染者の抱える問題——「病い」にまつわる生きづらさと苦心惨憺——

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タイトル別名
  • The Considerable Efforts to Resolve the Hardships of Living about ‘Illness’: A Case Study Focusing on the HIV-Infected Hemophiliacs of the Tainted Blood Scandal

抄録

<p>HIV感染症は効果的な治療方法が現れるまで、その致命性は高かった。そのため、HIV感染者ならびAIDS発症者は差別を被った。このことは薬害エイズに巻き込まれた血友病患者も同様であった。薬害エイズとは、1980年代前半、汚染された血液凝固因子製剤が治療に使用されたことによって起こったHIV感染問題である。血友病HIV感染者にHIV感染症は身体的/精神的/社会的な生きづらさをもたらした。こんにちにおいても、ある血友病HIV感染者はとくに精神的/社会的な生きづらさを感じている。他方で、その生きづらさに対処できている血友病HIV感染者もいる。本稿の目的は、その差異をHIVという「病い」の「説明モデル」から考察することにある。すなわち、前者は1990年代の説明モデルを維持し不信でもって社会・他者・自分自身を依然として見てしまっているのに対し、後者は説明モデルのアップデートをおこなって生きづらさを処理していることを明らかにする。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018230027302144
  • DOI
    10.18918/jshms.33.2_26
  • ISSN
    21898642
    13430203
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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