[Invited] Miocene crustal deformation in and around the Izu collision zone

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  • [招待講演] 伊豆衝突帯周辺の中新世地殻変形
  • <b>【ハイライト講演】</b>

Abstract

<p>日本列島の新生代テクトニクスで現在ホットな話題の一つは、「日本海拡大直後の16–15 Maのプレート配置はどうなっていたか、そして伊豆-小笠原弧(以下、伊豆弧)はどこに位置していたか」であろう。これまでに提唱されているモデルは三つの類型に大別できるが(星 2018a)、日本海拡大時または拡大直後に伊豆弧が本州弧のどの場所で接合または衝突していたかが大きなポイントである。この問題の解決には、西南日本太平洋側の応力場変遷、地殻垂直変動、マグマ活動の時空間変遷に加えて、伊豆衝突帯周辺の地殻変形の理解が鍵を握ると考えられる。今回の発表では主に伊豆衝突帯周辺の地殻変形に焦点を当てる。新生代テクトニクスのモデルは以下に示す二つのテクトニック・イベントをうまく説明する必要がある。一つ目のイベントは、関東山地周辺各地で確認されている広域不整合の形成である。この不整合では、伸張変形または短縮変形を受けた前期中新世の地層を変形度の小さい中期中新世の地層が侵食面を挟んで覆っており、多くの地域で傾斜不整合になっている。この不整合は15.5~15.0 Maの短期間に形成されたことが層序学的研究により明らかにされている(高橋ほか 2006)。二つ目のイベントは、本州中部の八の字型屈曲(関東対曲構造;星 2018b)西翼側で示唆される弧内地殻回転と横ずれ剪断変形である。愛知県設楽地域より北東側(長野県側・山梨県側)の上部地殻(中央構造線を含む)は15.5 Ma以降に西南日本主部およびアジア大陸に対して反時計回りに回転したことが筆者の最近の調査により判明してきた。この中期中新世の弧内地殻回転によって対曲構造西翼側の湾曲が強化された。設楽以北では、15.5 Maから12 Ma頃までの間にこの反時計回り弧内回転とその後の赤石構造帯+中央構造線・南信州セグメントの左ずれ断層運動(狩野ほか 1993)が起こったことによって、現在の地質構造の大枠が完成したと考えられる。本講演では、伊豆衝突帯周辺から最近得られた年代測定結果や古地磁気測定結果の概要も交えて、伊豆衝突帯周辺の地殻変形とテクトニック・モデルについて議論する。<文献>星 博幸, 2018a, 地質雑, 124, 675–691; 星 博幸, 2018b, 地質雑, 124, 805–817; 狩野謙一ほか, 1993, 地質学論集, 42, 203–223; 高橋雅紀, 2006, 地質雑, 112, 14–32.</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390018285212021120
  • DOI
    10.14863/geosocabst.2023.0_58
  • ISSN
    21876665
    13483935
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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