シストセンチュウのメス成虫出現数調査を目的とした根箱の改良

書誌事項

タイトル別名
  • Improved root box for quantification of newly produced cyst nematode females

この論文をさがす

抄録

<p>寄主植物におけるシストセンチュウ寄生程度(メス成虫の出現数)を効率的に調べるために簡易な根箱を考案し、以前報告した。しかし植物根の一部が土壌中に生育するため、根箱内部に出現する成虫の6割程度しか表面から観察できないことや、根箱の両面で線虫数をカウントしなければならないなどの欠点があった。これらを改善すべく、土壌と根箱のフタの間に青色で30μm目合のナイロンシートを挟んだ「シート根箱」を作製した。寄主植物の苗をフタとシートの間に定植して栽培したところ、根系はシート上にのみ生育・展開し、根箱の表面から観察できた。一方、裏面(土壌中)には根毛以外侵入しなかった。テンサイシストセンチュウの幼虫を接種して寄生させたところ、表面(フタ側)から観察できたメス成虫の個体数は、根箱を解体して取り出した根系上の個体数と相関が高く、また、後者の個体数の9割に達した。よってシート根箱では、寄主植物根系に出現したメス成虫のほとんどを片側表面のみで観察することが確認でき、幼虫接種による寄生メス数調査をより正確かつ効率的に行えるようになると期待される。</p>

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ