COVID-19 期間中における小学生の身体活動量と精神的健康の関係

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  • Relationship Between Physical Activity and Mental Health of Elementary School Children During COVID-19 Pandemic

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抄録

要  旨 COVID-19パンデミック時の小学生を対象に,三軸加速度計による身体活動量,唾液中コルチゾール,メンタルヘルスを用い,身体活動とメンタルヘルスの関係を分析した. 調査対象者は,京都市内の小学校に在籍する児童32 名で,調査は週末を含む3 週間行った.身体活動量[歩数(SC),睡眠時間を含む在床時間(ST),軽強度の身体活動(LPA),中・高強度の身体活動(MVPA)]は3 軸加速度計を用いて2 週間記録した. ストレスを評価するために唾液から得られたストレスホルモン(コルチゾール)を分析し,就寝1 時間前に自宅で被験者自身が採取した. 唾液の採取と同時に,4 つの要素からなる「子どものためのメンタルヘルスチェックリスト」を用いて心の健康状態を評価した. 「身体症状」「抑うつ- 不安」「イライラ- 怒り」「無力感」の4 つの要素で構成されていた. 調査期間中の精神的ストレス度はそれほど高くなかったが,2 週目,3 週目に示した身体活動量と精神的ストレス度の相関については,ST とイライラ- 怒りの因子が負の相関,ST と無力感の因子が負の相関の傾向を示していることが判明した. また,2 週目,3 週目では,高強度身体活動(LPA)とイライラ- 怒り,無力感の間に正の相関が示された. この結果から,ST の一時的な増加がイライラ- 怒りと無力感の感情を制御するために機能したと考える.これらの子どもの結果は,従来の成人を対象とした研究結果と異なりCOVID-19 に特有のものであった.

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