急性骨髄性白血病における同種造血細胞移植の適応:小児科医の視点

  • 富澤 大輔
    国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科

書誌事項

タイトル別名
  • Indication of allogeneic hematopoietic cell transplantation for patients with acute myeloid leukemia: from a pediatrician’s view

抄録

<p> 小児急性骨髄性白血病(AML)における同種造血細胞移植の適応は,白血病細胞固有の細胞遺伝学的異常/分子遺伝学的異常および治療反応性に基づいて決定されるが,移植に伴う晩期合併症等のリスクを回避する観点から,通常,高リスク群に限定される。しかし,近年の遺伝子解析技術の進歩,国際共同研究による稀少サブグループの解析,さらには多次元フローサイトメトリーなどを用いた測定可能残存病変(MRD)による治療反応性評価の導入が進んだ結果,従来は中間リスク群に分類されていた患者の一部が高リスク群に再分類されつつあり,近年小児AMLの移植適応はむしろ拡大傾向にある。一方で,移植適応の拡大のみによる治療成績改善には限界があることも明らかになってきており,新規分子標的薬の導入およびそれを踏まえた移植適応の再考が必要である。AYA世代への対応も含めて,この分野での小児科医と成人血液内科医との協力関係構築が重要となる。</p>

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参考文献 (53)*注記

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