オオニジュウヤホシテントウに見られる外来植物ワルナスビの利用能力および山形県内での利用状況

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タイトル別名
  • Ability of the herbivorous ladybird beetle <i>Henosepilachna vigintioctomaculata</i> to use the alien plant <i>Solanum carolinense</i>, with notes on situation at Yamagata prefecture

抄録

<p>ジャガイモを寄主としているオオニジュウヤホシテントウ集団が外来植物であるワルナスビを利用する能力を評価するために,実験条件下でワルナスビおよびジャガイモの葉を用いて幼虫の成育能力および成虫の食性を調べた.加えて,野外調査と博物館標本の調査を行い,山形県内におけるワルナスビの侵入状況と,オオニジュウヤホシテントウによる加害状況を調べた.幼虫の成育状況に関しては,両植物上での羽化率は比較的高く差がなかったものの,ワルナスビ上では有意に長い成育日数と重い蛹重を示した.成虫の摂食量はジャガイモと比較してワルナスビで有意に少なかった.これらの結果から,オオニジュウヤホシテントウにとってワルナスビはジャガイモと比較するとやや不適な寄主であることが強く示唆された.文献調査,野外調査および博物館標本の調査では,山形県内のワルナスビ生育地27地点のうち4地点でオオニジュウヤホシテントウによる加害が認められた.特に上山市と南陽市にまたがる1地点では卵から成虫までの全ステージの出現が観察され,ワルナスビ上で繁殖していることが明らかになった.以上より,ジャガイモを利用しているオオニジュウヤホシテントウに対して,ワルナスビが弱いecological trapとして作用している可能性が考えられた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018351899730816
  • DOI
    10.20848/kontyu.27.1_2
  • ISSN
    24320269
    13438794
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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