書誌事項
- タイトル別名
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- A Study of Play With Dirt, Mud, and Sand in Four-Year-old children
抄録
本稿では,幼稚園における幼児教育の事例を分析することで,4歳児の戸外での土遊びを検討することを目的とする。子どもの発達における土遊びの意義について4つの観点を明らかにした。第一に,物に対する先入観がない時,子どもは好奇心を刺激され,遊びに没頭する。その過程で知らず知らずのうちに価値を発見し創造していく。第二に,幼稚園の園庭での屋外泥遊びは,人工的に作られた砂場とは異なる。泥の柔軟性や水たまりの流動性は天候に左右されるため,子どもたちの認知プロセスを深めるダイナミックな環境が育まれる。第三に,水の存在は,子どもたちの外遊びの経験を高めるために極めて重要である。最後に,子どもたちの遊びにおいて,教師と仲間の役割が重要である。教師は安心感を与え,探究と学びを助長する環境を創り出す。さらに,子どもたちがイメージを共有することで,仲間意識と目的意識が芽生え,協同的な遊びが促される。
収録刊行物
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- 鳴門教育大学学校教育実践研究
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鳴門教育大学学校教育実践研究 1 111-123, 2024-03
鳴門教育大学