The Ever-lasting Process of “Rep & Rev” : Echoes in Suzan-Lori Parks’s The America Play

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抄録

学術論文

アフリカ系アメリカ人女性劇作家,スーザン=ロリ・パークスにとって,演劇は「歴史的出来事創造の孵化器」である。彼女は,白人が作り上げた「正史」の中で忘れ去られ,周縁へと追いやられたアフリカ系アメリカ人の歴史を「発掘」し,それらを「反復と改訂」というドラマツルギーを用いながら,歴史的事実・文学史上のキャノンとの関係において再構成する。このような歴史認識と劇作理念が最も前景化された作品が,リンカーン大統領暗殺事件をモチーフとした『アメリカ・プレイ』(1994)である。本論文は,パークスによる「歴史の書き換え」を完結することのない永続的なプロセスと捉え,そのメカニズムを本作で繰り返される「エコー」を手掛かりに読み解くものである。それにより,「歴史を語る」という手法とその行為に潜む「改訂」の作用をパークスが利用することで,さらなる「改訂」を可能とする点を考察する。

収録刊行物

  • 人文学林

    人文学林 1 241-255, 2024-03-31

    大阪大学大学院人文学研究科

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