心理職のセルフケアに関する尺度作成の試み(2): 心理職のセルフケア尺度を用いた心理職の ストレスの質とセルフケアの検討

書誌事項

タイトル別名
  • An attempt to create a scale for psychologists’ self-care (2) : An examination of the quality of stress and self-care of psychologists using the Psychologists’ Self-Care Scale

抄録

本研究の目的は、Dorociak et al.(2017)の心理職のセルフケア尺度(Self-Care Assessment forPsychologists ; SCAP)をもとに作成した心理尺度のセルフケア尺度日本語版(Self-Care Assessmentfor Psychologists ; SCAP-J)(宮島・萩谷・水野・岡田, 2023)を用いて心理職のストレスの質と有効なセルフケアを探索することである。心理職(N=101)と非心理職(N=1281)の合計1381人を調査対象とし、Web調査にてSCAP-Jおよび職業性ストレス簡易調査票を実施した。ストレス尺度では、心理職と非心理職の2群間で各得点の差について,t検定を用いて解析を行った結果、“不安感”“食欲不振”“不眠感”“同僚からのサポート”以外の項目において有意な差が認められた。“心理的な仕事の負担(量)”や“仕事のコントロール”、“上司からのサポート”、“仕事や生活の満足度”は心理職の方が高く、“疲労感”や“抑うつ感”は心理職の方が低いことが示された。SCAP-Jからは、第1因子「専門性を高める活動」、第2因子「職場内の人間関係」、第3因子「職場外の人間関係」、第4因子「自己モニター」第5因子「コントロール&リックス」の5因子が抽出された。概ねDorociak et al.(2017)と合致する結果が得られたこと、全22項目でα=.91と十分な値となったこと、想定されるストレスの指標との間に有意な相関が見られたことから、その妥当性と信頼性が確認できた。また、心理職と非心理職のテキストマイニングにより、心理職には「瞑想」が特徴的なセルフケアとして抽出された。

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