形・色の特徴に着目したウキクサ科植物の面積と枚数の推定
書誌事項
- タイトル別名
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- Prediction Estimation of Surface Area and Number of Leaves on Duckweed Focused on Leaf-Shape and Leaf-Color Features
説明
本研究では,ウキクサ科植物の一つであるコウキクサを対象として,写真から葉の面積と葉の枚数を推定する問題に取り組んだ.コウキクサの栽培を行い,写真撮影とアノテーションによってデータセットの作成を行った.作成されたデータセットを用いて,コウキクサの葉の面積と枚数を推定する手法を提案した.提案手法は,コウキクサの画像を入力とし,コロニーの領域認識,コロニーの健康状態推定,コロニー内の葉の枚数の推定という三つの部分から構成される.ここで,コロニーとは,コウキクサの葉が1から複数枚集まった状態のことを指すこととする.コロニーの領域認識では,Mask R-CNNというインスタンスセグメンテーション手法を用いた.この手法では,枯れた葉についても,正常な葉と区別せず認識してしまう傾向にあった.そこで,コロニーの健康状態推定のため,コロニーとして認識された画像領域を入力として,ResNet152と分類層を用いた分類器を構築した.これらの手法では,機械学習に基づいて健康であると考えられたコロニー領域から葉の面積が推定される.更に,健康であると認識されたコロニーを対象に,ResNet152と回帰層を用いて,コロニー内の葉の枚数の推定を行った.その際の特徴量取得において,コロニーの形状や色に着目する工夫を行った.評価には,正解値に対する推定値のパーセント誤差を表す平均絶対パーセント誤差を用いた.葉の面積の推定の性能については,複数のコロニーが写っている画像(後述するウェル画像)に対する平均絶対パーセント誤差が既存手法において8.8%であるのに対して,提案手法において3.1%と良い結果を示した.葉の枚数の推定の性能については,複数のコロニーが写っている画像に対する平均絶対パーセント誤差が特徴量取得の工夫を行わなかった場合において18.6%であるのに対して,工夫を行った場合において17.2%となった.
収録刊行物
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- 電子情報通信学会論文誌D 情報・システム
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電子情報通信学会論文誌D 情報・システム J107-D (5), 323-334, 2024-05-01
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018462210569984
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- ISSN
- 18810225
- 18804535
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可