外傷性破裂を来した膵粘液性囊胞腺癌の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Mucinous Cystadenocarcinoma of the Pancreas Ruptured by Trauma

抄録

<p>症例は44歳の女性で,転倒し上腹部打撲,同部の疼痛を主訴に近医受診した.腹腔内出血,腸管損傷を疑われ同日当科紹介となった.膵損傷または膵囊胞破裂による急性汎発性腹膜炎を疑い緊急手術を施行,手術所見より膵囊胞破裂の診断となった.部分切除した囊胞壁の病理組織学的所見より膵粘液性囊胞腫瘍(mucinous cystic neoplasm;以下,MCNと略記)であることが判明し初回手術から11日後膵体尾部切除術を施行した.切除標本に膵粘液性囊胞腺癌(mucinous cystadenocarcinoma;以下,MCCと略記)を認めMCCと診断された.破裂したMCCに対し根治術を施行した後の化学療法についてはエビデンスがない.自験例ではS-1療法を選択し,短い観察期間ではあるが無再発で経過しており報告する.</p>

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参考文献 (12)*注記

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