保存的に治療しえた十二指腸水平部憩室穿孔の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Diverticular Perforation of the Transverse Duodenum That Was Managed Conservatively

抄録

<p>症例は64歳の男性で,2日前からの左下腹部痛で前医を受診し,腹部CTで後腹膜気腫を認め,当院を紹介受診した.上腹部正中に腹膜刺激徴候を伴う圧痛を認め,血液検査では高度の炎症を認めた.腹部造影CTで腹腔動脈,上腸間膜動脈周囲の脂肪織濃度上昇と遊離ガス像を認め,ガスは十二指腸水平部の突出部に連続しており,憩室の穿孔を疑った.腹部所見は限局しており,保存的加療を開始した.透視下に経鼻減圧チューブを挿入し,先端を十二指腸下行脚末端まで誘導した.間欠的持続吸引を開始し,高カロリー輸液,制酸剤,膵酵素阻害薬,抗菌薬投与を行った.その後炎症は徐々に改善し,第17病日に食事を開始した.第29病日に上部消化管内視鏡を行い,十二指腸水平部に肉芽増生を伴った憩室を認めた.十二指腸水平部憩室穿孔はまれであり,保存的加療を行えた報告は極めて少ないが,慎重な判断のもと,保存的治療も可能と考えられた.</p>

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参考文献 (22)*注記

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