上向流移床式ろ過設備を用いた凝集ろ過によるCOD等の低減効果

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抄録

新たな事業場の排水が流入し始めてから,放流水の COD の急上昇が頻発している。そこで,緊急(COD 急上昇)時に再生水用の上向流移床式ろ過設備(以下「ろ過設備」)の処理を強化して再生水の余剰水で希釈することを念頭に,ろ過設備で使用する無機凝集剤(ポリ塩化アルミニウム(以下「PAC」)・ポリ硫酸第二鉄(以下「ポリ鉄」))を検討した。まず,室内実験において,無機凝集剤の注入率を変えて最終沈殿池出口水を凝集ろ過したところ,PAC では凝集剤特有の過注入時における低減効果等の悪化は認められず,pH 変化も軽微であった。また,基本的に PAC の凝集物は,周囲の pH が変化しても安定していた。よって,PAC を使用することに決定し,ろ過設備において仮設の機器類により凝集ろ過を試みた。そして,室内実験を上回る COD の低減結果が得られた。また,ろ過前の COD 濃度が変動しても,ろ過後は概ね6mg/L まで低減できることが判明した。併せて,りん酸態りんも概ね 0.05mg/L まで低減できることが分かった。

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 61 (738), 108-116, 2024-04-11

    公益社団法人 日本下水道協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018506585297280
  • DOI
    10.24748/jswa.61.738_108
  • ISSN
    24342475
    00214639
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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