歯周治療におけるメインテナンス治療について

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タイトル別名
  • The maintenance therapy on periodontal treatment
  • シシュウ チリョウ ニ オケル メインテナンス チリョウ ニ ツイテ

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説明

歯科医療における我々のゴールは、患者の生涯を通じて歯列を機能させ、快適に最善の状態で維持することである。現在の高齢化がますます進む中、中高年の歯周組織を維持するための歯周治療の意義は大きいといえる。  歯周治療は、大きく分類すると積極治療期(歯周基本治療や歯周外科など)とメインテナンス治療期に分けられる。特にメインテナンス治療は、再発の危険性が高い歯周疾患において積極治療により良好に改善された歯周組織を維持していく治療フェーズであり、高齢化した現代においては患者との関わりが極めて長期となる非常に重要な治療である。メインテナンス治療・SPT(Supportive Periodontal Therapy)により歯の生存率を上げると共に、歯周炎の再発予防に効果があることは、多くの報告で証明されている。歯周疾患の発症における発生原因やリスクファクター、全身的因子についての研究は多く認められる。しかしながら、歯周治療を受けた患者群において、長期のメインテナンス期に歯周炎の再発がどの様な状況で起こるのか、どのような要因が影響しているのか、再発を予測する因子は何か等は、ほとんど分かっていない。またメインテナンス治療期・SPTには、歯根破折や歯根面カリエスが多く認められ、歯の喪失の原因となっている。このような歯周炎の再発や歯の喪失の原因は、咬合の要因やプラークコントロールが関与していると思われるが、その原因に影響する局所的要因や全身的要因に対する解明がなされていない。よってメインテナンス治療期・SPTの患者の歯周治療時の一般的診査項目とともに、口腔内状態の診査・全身的診査・精神神経的診査を行い歯周炎の再発の要因や歯の喪失の要因との関連性を調査分析してその予防に貢献する事項を解明することは重要と思われる。著者は、長期メインテナンス患者に対する調査をおこなったので、それらのことに考察を行いたい。

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参考文献 (2)*注記

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