骨盤静脈疾患の診断と治療 —SVP分類は是か非か—

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and Treatment of Pelvic Venous Disorders

抄録

<p>骨盤内の静脈血行は複雑で未だ十分に病態生理が解明されていない.骨盤静脈疾患(pelvic venous disorders)は骨盤うっ滞症候群,メイ・ターナー症候群,ナットクラッカー症候群など,骨盤内の静脈うっ滞により起こるさまざまな症候群の総称である.これらの症候群は特定の症状に着目した病名で,各診療科でそれぞれに治療がなされてきたため,骨盤静脈疾患は系統的な治療や研究が行われていなかった.一般には経産婦で骨盤内に静脈拡張を認めても,無症状の場合が多い.しかし,静脈のうっ滞する部位によりさまざまな症状を呈することもあり,画一的な治療方針が立てられないのも事実である.米国静脈リンパ学会が提唱するSVP(Symptoms-Varices-Pathophysiology)分類は症状,静脈瘤の部位,病態生理をもとに,骨盤静脈うっ滞を統合的に捉える試みである.今回は自験例をもとにSVP分類の有用性を検討する.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 35 (1), 59-65, 2024-04-27

    日本静脈学会

参考文献 (8)*注記

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