ミトコンドリア断片化による骨髄異形成症候群の発症機構
-
- 林 嘉宏
- 東京薬科大学生命科学部 腫瘍医科学研究室 立命館大学薬学部 腫瘍病態制御学研究室
書誌事項
- タイトル別名
-
- Pathogenesis of myelodysplastic syndromes by excessive mitochondrial fragmentation
説明
<p>骨髄異形成症候群(MDS)は,造血幹細胞に生じた遺伝子異常に起因して発症し,無効造血に伴う骨髄不全症を主病態とする難治性造血器腫瘍である。この10年ほどの間に,MDSクローンにおける自然免疫応答シグナル経路異常が同定され,それに伴う慢性炎症機構が,MDS病態形成において中心的役割を担うことがわかってきた。しかし,多様な遺伝子型のもとで,どのようにしてMDSの病態が生じるのかについての解明は十分には進んでいない。最近,私たちは,新規に樹立したMDSモデルマウスおよび多数例の患者検体の解析から,MDSクローンのミトコンドリアに過剰な断片化が生じていることを見出した。さらに,ミトコンドリア異常がMDSクローンにおける自然免疫応答シグナル経路制御異常のきっかけとなることが明らかとなった。本稿では,MDS病態形成におけるミトコンドリア動態制御異常について概説する。</p>
収録刊行物
-
- 臨床血液
-
臨床血液 65 (4), 249-254, 2024
一般社団法人 日本血液学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390018506585381888
-
- ISSN
- 18820824
- 04851439
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可