性別不一致移植におけるGVHD/GVLのエビデンス

DOI
  • 仲宗根 秀樹
    自治医科大学分子病態治療研究センター 領域融合治療研究部(EMIT) 自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科

書誌事項

タイトル別名
  • Evidence of GVHD/GVL in allogeneic hematopoietic stem cell transplantation from sex-mismatched donors

抄録

<p>同種造血細胞移植は血液悪性疾患の治療法として確立されているが,移植患者は移植片対宿主病(GVHD)など様々な合併症のリスクを背負う。移植後後期に問題となる慢性GVHDは,末梢血幹細胞移植の他,女性ドナーと男性患者間(F→M)での性別不一致移植でもリスクが増加することが知られている。F→M移植の合併症は,男性患者のY染色体上のマイナー抗原(HY抗原)に対する同種免疫応答も一因と考えられる。実際,F→M移植後の一部ではHY抗原に対する抗体(HY抗体)が検出され,その後の慢性GVHDおよび非再発死亡率の増加と有意に関連していることも示されている。本稿では,様々な臨床場面におけるF→M移植の影響に着目し,慢性GVHDや移植片対白血病効果を含む同種免疫応答の臨床的エビデンスを紹介する。GVHDの早期制御と最大限のGVL効果を目指し,F→M移植における研究が今後も進むことが期待される。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 65 (4), 265-271, 2024

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018506585383424
  • DOI
    10.11406/rinketsu.65.265
  • ISSN
    18820824
    04851439
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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