数量の関係を簡潔・明瞭・的確に捉える算数指導 -数直線図を活用し,統合的・発展的な考え方を高める授業実践-

DOI 機関リポジトリ HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Math Class that Captures the Quantity Concisely Clear and Accurately
  • スウリョウ ノ カンケイ オ カンケツ ・ メイリョウ ・ テキカク ニ トラエル サンスウ シドウ : スウ チョクセンズ オ カツヨウ シ,トウゴウテキ ・ ハッテンテキ ナ カンガエカタ オ タカメル ジュギョウ ジッセン

この論文をさがす

抄録

本研究では小学校第5学年を対象に「小数の乗法,除法」「小数倍」の学習において,児童が数量の関係を簡潔・明瞭・的確に捉えるために,数直線図を活用し,統合的・発展的な考え方を働かせるための授業実践を行った。この授業実践から児童が数直線図を活用し,統合的・発展的な考え方を働かせ,数量の関係を簡潔・明瞭・的確に捉えた場面の発言やノート記述,板書を考察し,児童の学びの様相を明らかにすることを目的とした。本研究を通して,以下の4つのことが明らかとなった。(1)児童は2量の比例関係(変化の関係)だけではなく,2量の対応関係から立式する様相が見られた。(2)児童が数直線図を用いて数量の関係を捉えることができるようになった段階で「1」が潜在化された問題文に出合うことで「1」が顕在化された問題と「1」が潜在化された問題の相違点が明確になり,児童はそのずれを修正するために3本目の数直線を作り出した。(3)小数倍の学習において,2量の関係をかけ算の式(比の第2用法)に一旦置き換えた後,わり算の式(比の第3用法)で考える「2段階の演算」を経て基準量である「1」を捉える様相が見られた。(4)児童自身が「数直線図では数量の関係を捉えることが難しい」と判断した場合は,既習の図的表現である線分図やテープ図,関係図などを駆使し,基準量である「1」を捉えたり,数量の大小関係を捉えたりする様相が見られた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ