ヘッドアップティルト試験のすすめ -効率化と標準化が失神患者の治療方針決定に及ぼす効果

  • 白木 里織
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 循環器内科
  • 永松 裕一
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 循環器内科
  • 山根 隆志
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 リウマチ・膠原病内科
  • 西澤 昭彦
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 消化器内科
  • 角谷 誠
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 循環器内科
  • 金澤 健司
    地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院 総合内科

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説明

反射性失神は失神の原因の中で多くの割合を占める。ヘッドアップティルト試験(head up tilt test;HUT)は反射性失神の診断のみならず, その病型診断により, 心抑制型失神におけるペースメーカ治療の有効性を予測する重要な検査であるが, 手技の煩雑さや再現性の問題から敬遠されがちである。 当院ではプロトコールの工夫により安定して実施可能となり, 検査件数も増加し診断に寄与している。原因不明失神の診断においてHUT1stとすることで,植込み型ループレコー ダーやペースメーカ植込みを回避できた症例も見られた。一方で, 既に植込み型心臓電気デバ イス留置中にもかかわらず失神を来す症例において反射性失神と確定診断し, 生活指導により改善が見られた。検査陽性患者では生活指導への意欲が高く, 失神回数の減少傾向がみられた。 当院での経験を紹介し, より多くの施設でHUTが実施されることを期待する。

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