体験的構造の侵害としての暴力

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タイトル別名
  • Violence as violation of experiential structures
  • タイケンテキ コウゾウ ノ シンガイ トシテノ ボウリョク

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抄録

暴力は最近の現象学的研究における顕著な論題となっている。本論考で、私はこの進行中の言説に、志向的であり、目的をもって、方略的に他の動作主(個体的であれ集合的であれ)によって主観に課せられるかぎりで、文字通りの意味で体験的構造の侵害としての文字通りの意味での暴力を見ることによって起用することを望んでいる。現象学は、そうした構造を明瞭するために記述的方法論を提供する。侵害は徹底化という形式をとることがある。徹底化の際に、極的体験的スペクトルのもつ諸局面のうちの一つは卓越的になる、すなわち、それらの間の均衡は一つの極端に転換される。私は、現象学的文献のなかで卓越した場所として、一方で、自己と他者の間の関係性に焦点を当て、他方で、主観としての身体と対象としての身体の間の関係性に焦点を当てる。極端な暴力の形式としての拷問や独房監禁に関して、私はどのようにこうした構造が乱されるのかを分析する。

収録刊行物

  • 人文學

    人文學 (212), 55-82, 2023-11-15

    同志社大学人文学会

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