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- 清野 諭
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 野藤 悠
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 植田 拓也
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 根本 裕太
- 東京医科大学公衆衛生学分野
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- 倉岡 正高
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 髙橋 淳太
- 産業総合技術研究所人間拡張研究センター
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- 森 裕樹
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 秦 俊貴
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 北村 明彦
- 八尾市保健所健康まちづくり科学センター
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- 小林 江里香
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 村山 洋史
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 本川 佳子
- 東京都健康長寿医療センター研究所
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- 服部 真治
- 医療経済研究機構
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- 山田 実
- 筑波大学人間系
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- 近藤 克則
- 千葉大学予防医学センター 国立長寿医療研究センター
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- 荒井 秀典
- 国立長寿医療研究センター
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- 藤原 佳典
- 東京都健康長寿医療センター研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- A framework for promoting and evaluating “Kayoi-no-ba” initiatives according to the Plan-Do-Check-Action cycle: The ACT-RECIPE framework
抄録
<p>目的 2019年の厚生労働省取りまとめでは,一般介護予防事業等をPDCAサイクルに沿って推進することの重要性が指摘されている。しかし,現状ではその具体的な推進方策や標準化された評価フレームワーク(FW)は明示されていない。本研究では,自治体担当者が,通いの場の取組をPDCAサイクルに沿って推進・評価するためのFWを提案する。</p><p>方法 令和2年度老人健康増進等事業研究班が先行研究等をナラティブ・レビューし,FWの構築に活用可能な評価モデル・指標を抽出した。作成されたFW案を研究班の検討委員会で協議・修正するという手順を4回繰り返した。完成したFWを用いて東京都内50自治体の通いの場の取組状況を得点化し,これと各自治体の通いの場の数(高齢者人口千人当たり)との関係について地域相関分析を行った。</p><p>結果 以下6つの局面から本FWを構成した。①「理解」:介護予防・フレイル予防の要点や通いの場の必要性について理解する局面,②「調査・計画」:地域アセスメントによって通いの場の現状と地域の強み・課題を明らかにし,課題解決に向けた計画を立案する局面,③「体制・連携」:課題解決に必要となる行政内外の組織と連携し,体制を構築する局面,④「実施」:課題解決に必要な取組を実施する局面,⑤「評価」:取組による直接の成果と効果を確認する局面,⑥「調整・改善」:評価結果をもとに計画や体制,内容,目標を再検討する局面。各局面の評価項目として,10のコア項目とそれに付随する小項目を設定し,本FWの通称を「ACT-RECIPE(アクトレシピ)」とした。都内50自治体のACT-RECIPE得点率中央値は,「理解」75%,「調査・計画」61%,「体制・連携」69%,「実施」64%,「評価」31%,「調整・改善」56%であり,平均得点率は57%であった。ACT-RECIPE平均得点率と高齢者人口千人当たりの通いの場の数との間には有意な正の相関関係(rs=0.43:P=0.002)があった。</p><p>結論 通いの場の取組をPDCAサイクルに沿って推進・評価するFW:ACT-RECIPEを作成した。都内自治体では“P”“D”“A”に相当する「理解」~「実施」,「調整・改善」に比べて,“C”に相当する「評価」が十分ではない実態が明らかとなった。本FWの活用によって,PDCAサイクルに沿った通いの場の取組や評価がより一層進むことを期待する。</p>
収録刊行物
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- 日本公衆衛生雑誌
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日本公衆衛生雑誌 advpub (0), 2024
日本公衆衛生学会