本邦の重症心不全に対する補助人工心臓を用いた治療戦略

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タイトル別名
  • Therapeutic strategies using a ventricular assistive device for advanced heart failure in Japan

抄録

<p>治療抵抗性重症心不全は予後不良であり,その克服は我々の課題である。昨今,重症心不全に対する治療法は心臓移植と補助人工心臓治療の発展により,劇的に変化している。 特に補助人工心臓については,その性能が向上し,転帰改善に寄与している。また,これまで植込型補助人工心臓は,本邦では心臓移植を前提とする患者にしか適応がなかったが,2021年5月からdestination therapy(DT)として,心臓移植適応のない患者に対しても,一定の条件を満たせば保険適用となった。そのため,今後,集中治療専門医は重症心不全患者管理中に,その先の治療選択肢として,補助人工心臓への移行の是非を判断できるよう,その適応や手順について理解しておく必要がある。そして,循環器内科と協力し,タイミングを逸さずに心臓移植実施施設あるいはDT施設への相談・転院を検討することが重要である。さらに,今後患者数の増加が予測されており,植込型LVADの仕組みや急変時の対応についても理解を深めておく必要がある。</p>

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