ライトノベルにおける物語の技法(三)―悪役令嬢の多様性―

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抄録

ライトノベルにおける文学作品の大衆化の中で、コロナ禍に見舞われる中、巣ごもり需要による電子書籍の伸びとその中で登場してきた「悪役令嬢もの」と呼ばれる作品群が、関連する「婚約破棄」「転生もの」「乙女ゲーム」「溺愛もの」と言えるような作品群と相俟って、驚くほどに出版された。また、イラスト、コミカライズ、アニメ化、ドラマ化、さらには映画化にまで発展するだけの力のある作品も増加している。現代の世界や社会が抱える課題からの影響が、西洋風な世界観の設定の中でどのように描かれているか、また、古来からある物語の技法、「継子いじめ」「友人間のいじめ」や「親からのネグレクト」あるいは秩序の混乱や常識の相違、物語やゲーム世界と現実の差異などから作者がテーマとしているものが、読者に訴えかけるもの、あるいは受け入れられているものはなんなのか、悪役令嬢の多様性について考察していく。

収録刊行物

  • 歌子

    歌子 32 35-49, 2024-03-06

    実践女子大学

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