呼吸障害を初発症状とした不全型Cantrell症候群の新生児例

DOI
  • 清水 青葉
    日本赤十字社医療センター新生児科 東京都立小児総合医療センター呼吸器科
  • 久枝 義也
    日本赤十字社医療センター新生児科
  • 中原 さおり
    東京大学医学部附属病院小児外科
  • 中尾 厚
    日本赤十字社医療センター新生児科

書誌事項

タイトル別名
  • Incomplete Cantrell syndrome with respiratory disorder in an early neonate: A case report

抄録

<p> 症例は日齢0の男児.異母同胞に不全型Cantrell症候群の家族歴がある.出生後,陥没呼吸・呻吟を認め,挿管しNICUに入院とした.気管挿管下人工呼吸管理でも胸骨上窩の陥没呼吸が持続した.日齢1に抜管し経鼻持続陽圧呼吸管理(CPAP)としたが,陥没呼吸は持続し,CPAPの離脱に伴い多呼吸を認めた.胸部CTで胸骨下部低形成を認め,横隔膜の前方挙上も疑われた.日齢56に胸腔鏡下で横隔膜の部分筋層欠損を確認し,縫縮術を行った.その際,心膜部分欠損を疑う所見を認めた.家族歴と併せ,不全型Cantrell症候群に伴う呼吸障害と診断した.在宅CPAPを導入し日齢81に退院とした.Cantrell症候群は稀な先天奇形症候群であり診断契機は腹壁ヘルニアが多い.本症例では家族歴から診断に至ったが,胸骨・横隔膜・心臓などに複数の奇形を認める呼吸障害ではCantrell症候群を鑑別として考慮する必要がある.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018616996312192
  • DOI
    10.34456/jjspnm.60.1_90
  • ISSN
    24354996
    1348964X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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