発熱・腹部症状を呈し,虫垂切除術に至った小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C)の9歳女児例

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タイトル別名
  • MIS-C with apendicitis

抄録

<p>急性虫垂炎との鑑別に苦慮した小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(MIS-C)の1例を経験した.症例は生来健康な9歳女児.発熱,下痢,腹痛を主訴に急性虫垂炎が疑われ当院へ紹介となった.画像所見から穿孔性虫垂炎の懸念があり腹腔鏡下虫垂切除術を施行したが,手術所見や病理検査ではカタル性虫垂炎であった.全身麻酔導入後に血圧低下し昇圧薬の持続投与を要した.術後も血圧安定せず,発熱は持続していた.原因検索を行う中で,入院時に指趾の硬性浮腫,眼球結膜の充血や頚部リンパ節腫脹があり,入院1か月前にCOVID-19みなし陽性の既往があることが判明しMIS-Cが疑われた.免疫グロブリン大量静注療法,メチルプレドニゾロンで加療開始後速やかに症状は改善し,SARS-CoV-2抗体陽性が確認されMIS-Cと確定診断した.MIS-Cは多彩な症状で発症し急激にショック病態に至ることが報告されている.COVID-19罹患歴のある症例では鑑別疾患として十分考慮し,適切に治療を開始する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 小児リウマチ

    小児リウマチ 14 (1), 56-61, 2024-02-29

    一般社団法人 日本小児リウマチ学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018616996392192
  • DOI
    10.34539/praj.14.1_56
  • ISSN
    2434608X
    24351105
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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