脳活動イメージングのための多光子顕微鏡技術

DOI
  • 佐藤 正晃
    北海道大学大学院医学研究院 神経薬理学教室
  • 東 万葉
    北海道大学大学院医学研究院 神経薬理学教室
  • 岩谷 優
    北海道大学大学院医学研究院 神経薬理学教室

書誌事項

タイトル別名
  • Multiphoton Microscopy for Brain Activity Imaging

抄録

<p>蛍光分子が複数の光子を吸収して励起される多光子励起を応用した顕微鏡のうち,生体透過性の高い近赤外パルスレーザーを用いて脳の深部の神経回路を画像化する二光子顕微鏡は,複雑な神経回路の活動を単一細胞レベルの解像度でほぼ網羅的にイメージングできることから,特に2000年代以降の神経科学に革新をもたらした.一方で,一般的な二光子顕微鏡は1 μm3程度の集光点で観察対象のボリューム全体を走査するため,広範囲の神経回路活動の高速イメージングには技術的な限界がある.この問題を克服するために,近年の二光子顕微鏡は種々の光学的手法を駆使した広視野化や高速化が進んでいる.また,より深部をより鮮明にイメージングできる三光子顕微鏡や,動物の頭部にとりつけて自由行動中の脳活動をイメージングできる小型の多光子顕微鏡などの技術の開発も精力的に進められている.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 59 (1), 32-36, 2024-04-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390018672471439232
  • DOI
    10.11410/kenbikyo.59.1_32
  • ISSN
    24342386
    13490958
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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